ハビエル・バルデムがまだ若くて(なのに既に重厚)英語がちょっとまだ慣れない感じ。というかなぜキューバの映画なのに英語でしゃべってるのか。…アメリカ製作の、反革命政府の文学者の映画だからですね。2000年にはアメリカがキューバで映画を撮れたのか。あの海岸線、有名なアイスクリーム・パーラー、確かにハバナだ。
映画のモデルとなったレイナルド・アレナスは写真を見るとこの頃のハビエル・バルデムに似てますね。私が見たキューバの人たちは、みんなのんびりしてたので、こんな濃い人たちって想像できないのですが、独裁者のあとの革命の頃はかなり血なまぐさい時代があったのだと思います。
ディエゴ・ルナはいつ出てた?と思ったらまだ少年の役だった。ショーン・ペンはもしかして最初のほうに馬車に載せてくれた人?ジョニー・デップは…刑務所のドラアグ・クイーンの「ボンボン」か!そして高圧的な刑務官も。両極端の一人二役です。
音楽がルー・リードとローリー・アンダーソン。監督が彼らの映画も撮ってるからだな。
で、私の感想をいいますと、ひどい弾圧にあったんだなと胸が痛くなったものの、これはアメリカ映画だから「英雄カストロが実はこんな暴虐を!」という映画なのはお約束。キューバはロシア車がばんばん走っていて北朝鮮大使館も目立つところにある国だ。でも不思議と日本はキューバと悪い関係ではないらしい。日本共産党とゲバラとの交流の資料がゲバラ記念館に飾ってあった。
弾圧が強まるキューバからアメリカに亡命し、アメリカの流行り病で寿命を縮めて、最後は…<以下ネタバレ>
あらすじには「自ら命を絶った」って書いてるけど、ラサロが幇助したみたいでしたね。たくさん苦労したけどたくさん助けられた人生。カストロ政権下のキューバは多分、熱心なカトリック教徒で従順な人にはいい国かもしれないけど、個性があって自分が強い人にはいて欲しくなかったんだ。この人の人物像がいまひとつイメージできない。レイナルド・アレナスの著書を読んでみなければ。