映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

フランク・ペリー 監督「泳ぐひと」2557本目

バート・ランカスターこのとき50代だけど、最初から最後までずっと水着姿でした。ひたすらプールを泳ぎたがる男の映画と聞いていて、なんとなく成りゆきも結末も見えてたけど、本当にそれだけの映画を作ったんだ!というのが面白いし、感想を読むと、町山氏の解説によって大傑作だと思った人とよくわからんという人が半々なのも面白いです。

私は、これって「現代アメリカ短編集」に入っていそうな不思議系の短編小説をいっぱい盛って引き延ばして映画にまとめた、という感じを受けました。実際そうなんじゃないのかな?不条理劇、いいんじゃないでしょうか。あまり原作者が意図していないほどの深い意味を読み取ろうとしなくても、自分がどう味わうかは見る人の自由。

<ネタバレ?あるかも>

泳ぐ男の自宅が朽ち果ててることから、ここ何年も彼と家族はあの家には住んでなかったことがわかります。で、彼はなぜここ数年の記憶を失ってるんだろう。妻や娘たちは彼のもとを去ったんでしょうね。どうも、彼は妻も娘も愛人たちもぜんぶキープするタイプのようなので、自分から捨てたりしてないだろう。ではこの空白はなんなのか。破産のショックで入院していたにしてはいい色に焼けている。一番面白そうなからくりを考えると「幸福なラザロ」説かな…。彼だけ海パン姿でどこかに倒れたまま3年くらい仮死状態にあった…なんてね。戻った家に妻子の死体があったりしないといいなーと思ってましたが、妻子によって仮死状態にされたってこともありうるかなー。とか。

ところで、元ベビーシッターのお嬢ちゃんが、彼氏とは「コンピュータで知り合ったのよ」って言うんですよ。1968年に。そんなバカな!と思ったら、6ドル払うとお相手を3人教えてくれるサービスとのこと。手元に端末があるわけじゃなくて、マニュアルに登録したプロフィールをマッチング会社のコンピュータが選んでくれるってことなんでしょうね。(本当にコンピュータなのかなー)

泳ぐひと (字幕版)

泳ぐひと (字幕版)

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video