映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

アンソニー・アスキス監督「予期せぬ出来事」2559本目

1963年の作品。面白かったです。ロンドンの空港からマイアミへ発とうとしている「VIPたち(これが原題)」つまり今でいう上級会員(この頃は著名なら顔パスだったみたいだけど)の客の人間模様を、元々彼らが抱えていた問題と、霧による遅延・欠航という事件を通じて起きる予期しなかった出来事を描いた映画。オーソン・ウェルズ、エリザベス・テイラーにマギー・スミスといった豪華な存在感あふれるキャスティング。映画監督と新進美人女優、乗っ取りにあいそうなさなかの会社社長と有能な秘書、夫に見送られてきたけど他の男と駆け落ちしようとしている妻、お屋敷を維持する費用に悩みながらエコノミークラスに乗る侯爵夫人。

<以下ネタバレ>

税金が悩みの映画監督は新進女優と入籍することで税金を安くあげることに成功、ついでに侯爵夫人のお屋敷をロケ地に交渉成立、侯爵夫人は維持費が得られたので旅行を取りやめて帰宅、買収される寸前だった社長は突然の小切手で生き延びて秘書マギー・スミスにプロポーズ、他の男になびいていたエリザベス・テイラーは夫の傷心を知って家に帰ることに。…と、お金と愛でいろんなことがうまいこと決着して、明るいエンディングとなります(振られた男だけは切ないけど)。

長くて退屈な飛行機の機内とか、旅行先のホテルの枕が合わなくて眠れないときとかにピッタリの、楽しめてほっとできる映画でした。私こういう映画好きです。 

予期せぬ出来事 [DVD]

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  • 発売日: 2017/11/20
  • メディア: DVD