映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

ペドロ・アルモドバル監督「ペピ、ルシ、ボンとその他大勢の娘たち」2579本目

1980年の作品。今は「祖母」役をやるカルメン・マウラが若いお嬢ちゃんの役です。40年前だもんなぁ…。

BGMで流れてた場末っぽい歌謡曲が、コブシ回っててまるで日本の昭和歌謡だ。 

イベントの司会者として登場したのがもしかして、アルモドバル監督?ちょっと長髪で口ひげで誰だかわからない感じ。下着のCMガールとしてセシリア・ロスも出てますね。

初期のアルモドバル作品はエロスをかなりど真ん中のテーマに置いたものが多い。(エロティックな映画ではなく、エロスのいろんなあり方を開けて見せるような映画)この映画では夫がいながらレズビアンでかつマゾという女性や、バイセクシュアルなパンクロッカーが出てきます。マゾの夫は妻に乱暴するようになるけど、描かれてるのはあくまでも女性の性なんだよな。みんなおかしくなっちゃったけど、開かれて自由になれてよかったね、という終わり方。スペインの女性って男性にいつも押しつぶされてるんだろうか、毎回映画で解放しなきゃいけはいほど。

この映画は「これ!」というキッチュさのポイントがなくてわかりづらかったけど、アルモドバル研究?においては最初から彼が注目してたテーマや女優たちが見られて興味深かったです。

ペピ・ルシ・ボンとその他大勢の娘たち(字幕版)

ペピ・ルシ・ボンとその他大勢の娘たち(字幕版)

  • 発売日: 2017/03/08
  • メディア: Prime Video