子どもの頃にテレビで見たかもしれないけど、怪獣も出てこないし、大人の人たちが怖い顔して言い合ってる場面が多いので、多分ちゃんと見てないと思う。
小林桂樹がまさかのヨゴレ役、というか高名な科学者なんだけど見た目がヨレヨレなのが珍しい。藤岡弘が若くてエネルギッシュ。画面の雰囲気や効果音の付け方からも、テレビの仮面ライダーの豪華版みたいな感じもします。
日本が沈没する理由はプレートテクトニクスだったのね。今なら地球温暖化による海面上昇のほうが説得力が強い。撮影で潜水艇を手配する必要もないし。
高官が世界中に移民受け入れを陳情して回るくだりとか、よく練られてます。こういうことがありうるから、近隣諸国とは仲良く外交しとけと思う。オーストラリアやニュージーランドはほかの国にも人気で、2億とか積まないと移住できなくなっちゃったし、今でも日本人を受け入れてくれる国なんてあるんだろうか。カナダのツンドラ地帯か…
丹波哲郎総理大臣が訪ねる「影の黒幕」。この頃は政治全般に対して、政治家の裏には賢者がいて神託を述べてくれるという肯定的な意識があったけど、今は賢者なんて政界にはいないとみんな思ってる。ボンクラが大勢集まって力を合わせてやるしかないのが政治の本質だと思うけど、今はボンクラがボンクラを嗤ってばかりだ…。
見終わると同時に、さっそく荷造りしてどこの国に逃げようかと妄想…いとこのいるドイツか、友達がいるトルコか。私たちは「日本難民」として、ほかの国の入管に閉じ込められたり、日本でやってたような仕事に就けなかったりするんだろうか。
アメリカ代表として会見をしてるのがキッシンジャーっぽいと思ったら、この頃確かに彼が国務長官だ。中国国家主席は毛沢東に似てると思ったらやっぱりまだ彼が在任してた。芸が細かくて、40年後に振り返ってみるときに興味深く思えます。本当に、外交問題を考えるうえで、まず政治家には全員この映画を見て「嫌われない日本」を作ることを考えておいてほしいなとか思っちゃうのでした。