映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

ケン・スコット監督「クローゼットに閉じこめられた僕の奇想天外な旅」2615本目

タイトル長い!

DVDに入ってる宣伝映像が全部インド映画なのを見て初めて、これがインド映画だと気付きました。インド人 in Paris(笑)。彼がイギリスの入管で捕まって、ミュージカルめいたものを歌いだす役人に戸惑う絵とか、イタリアのディスコで唐突にボリウッド風ダンスを踊りだす絵とか、すごく好き。インドの人たちの不思議なマジメさと明るさって、多文化と出会わせるとすごく違和感があって可笑しいなぁ。

原作はフランスの人なんだな。原作のほうにはタイトルにIKEAと入ってるけど、映画では社名には触れませんね。OK出なかったのかなー、真似する子どもがいると困るからかな。その後彼が入る大きな旅行用のトランクは原作ではルイ・ヴィトンですって。これは許可出ないわ!

スペイン人とイタリア人のハーフでフランス育ちの作家が書いた小説がフランス語で発売されたあと、30か国語に翻訳されて世界中で発売されたんですって。この映画の国はフランス・アメリカ・ベルギー・シンガポール・インドという国際色。世界一周ものと言っていい移動範囲の広さですもんね。しかし何でフランスとあまり関係ない本を書いたんだろう?…英語のWikiにちゃんと書いてありました。スーダンとかの移民問題に関心があったんですって。多分、十分すぎるくらい注目を集めたんじゃないかな。主人公がインド人である理由は書かれてなかったけど、主人公が最後に国に帰るという設定にしたかったから、帰れる国、ひどい内戦状態ではない国の人でなければならなかったんだろう。この映画ひとつで世界を変えられないとしても、私もこの作者みたいな気持ちを持ち続けたいなと思いました。