映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

宇崎竜童監督「魚からダイオキシン‼」2616本目

音声レベルが低い映画って聞き取れなくてきらい・・・羽田空港からの飛行ルートが変わって以来、真下近くになってしまった自宅では映画の音が今までにも増して聞き取りづらくなってしまいました。他の人の感想を見ると、それほど真剣に聞き取らなくてもいい気がしてきたので、流して先を見ます。

1991年に内田裕也が実際に都知事選に出たことを映画化したようだけど、たけし軍団の人とかたくさん出てるし、場面区切りとかもコメディ出身の人たちが作った余興っぽいな。都知事選に出て都民に投票してもらうための演説が英語って、ギャグだよね、きっと。(唐突に歌いだすのは日本語w)内田裕也がイキがる場面の最後に、天井からタライが降ってきて頭に当たってちゃんちゃん、となりそうな。

少女時代にはかなりロックを聞きこんだ私ですが、内田裕也が言うロックンロールも彼の音楽も全然かっこよく思えないのはなぜだろう。彼が推す若いバンドには好きなのもあったんだけどな。内田裕也って裸の王様っぽくて、こういう映画を見てもムカつくというより少し痛々しく思えてしまう。一生ずっと気取り続けるのって疲れたんじゃないだろうか。たいがいの若者は大人になるにつれて、気取るより自然体でいつづけるほうが難しいし大人だって気づくけど、彼は死ぬまで何かに憧れ続けたんだろうか。欧米に憧れたのか、それとも無国籍感を目指したのか。それより不思議なのは、そんな内田裕也を死ぬまで愛し続けた樹木希林のほうだ。あれほどの女優だった人が彼の中に何を見てたのか、私にはまだわからない。

スタジオで録音をしてるのはC.C.ガールズかしら。バブリーだけど歌詞は「中絶したくない」?

オートレースで出会うホワイトブロンドの青年は本木雅弘か。細いなぁ。彼も演技うまいのでワルに見える。この時まだ内田也哉子と結婚してないんだな(1995年だそうです)。

軍艦島でロケをしてますね。紙屑撒き散らしたり爆薬使ったり、この頃はまだ自由だったんだな…世界遺産になっちゃったあとは、絶対こんなこと無理!

内田裕也と映画館で隣に座ってしゃべってた妙に腰の据わった若い男は、誰だろうと思ったらアナーキーの仲野茂じゃないか。当時は好きじゃなかったけど、いい面構えしてたんだな…。など追憶をたどるには興味深い作品でした。(でもまだ見てない人は、見なくていいと思う) 

魚からダイオキシン!! [DVD]

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  • 発売日: 2008/12/26
  • メディア: DVD