ピーター・ローレの「Mr.モト」シリーズみたいな、一度も行ったことのない密林を妄想して作られたエキゾチックな映画かと期待していたら、心身ともに健康のかたまりのようなアメリカ人の若者たちがアマゾン探検に出かける、極めて健全でかなりリアリスティックな映画でした。科学に寄りすぎないし、半魚人が等身大な分、リアリティがちょっと高まってる気がします。
黒い河の中から現れたやつは、ウロコやヒレがたくさんついてて、泳ぎが上手だけど、人間です。この辺のハイテクなのかローテクなのかわからない造形が、かえって共感を誘いますね。この丸い頭の半魚人の役者さん、本当に泳ぎが上手で、姿が美しいですよね。水面近くを泳ぐイルカみたいに綺麗な女の人に憧れて出てきただけなのに、報われずにかわいそうだなぁ…。ギレルモ・デル・トロ監督は、このかわいそうな半魚人さんが憧れの女性と結ばれる映画を作ってあげたいって思ったのかなー。
ところで、半魚人の登場の仕方が、映画史上もっとも唐突で笑ってしまいました!誰かが話してる途中とか、映画演出上の盛り上がりをあえて無視して、俳優たちをリアルに驚かせようとしたのか!?