なぜ借りたか思い出せない。タイトルにも監督にも見覚えがない。いつも見てるレビュアーさんの誰も見てない、というか、感想がまだ一つも書かれてない。謎だ(笑)
1957年、「西」ドイツの作品。コントラストの強い白黒映像。冒頭のやたら元気な音楽はまるで西部劇。
ストーリーは、若いタイヒマン、ヴェゲナー少佐と若くて美しい妻エディット、無慈悲な上長やタイヒマンの仲間たちを中心に進行します。ナチスドイツは多民族に冷酷無比だったけど、上長は若い部下たちにも無慈悲。(日本軍を描いた映画にもこういう場面ってあるよなぁ)軍艦が被弾して海に投げ出されたタイヒマンがヴェゲナー少佐を助ける 場面もあるけど、その後ヴェゲナー少佐は視力を失っていました。
軍に復帰したタイヒマンは、相変わらず無慈悲なリュットケ少佐の下で目を付けられます。でも、ユダヤの血を引く仲間は父が死刑になったあと自殺。潜水艦での勤務に戻ったら砲撃を受けて、やっとわかりあえたリュットケ少佐は潜水艦と海の底へ。
…人間味あふれるタイヒマンは戦後、きっと戦後ドイツの立て直しに貢献したことでしょう。鮫はヒットラーをはじめとする軍の幹部で、小魚は膨大な数の兵士たち。飲み屋の女将の言葉が良かった。「小魚はたくさんいる。全部がやられることはないのよ。」
当たり前だけどナチスドイツにも上に逆らった若い兵士がいたし、優しい家族もいた。ここでちゃんと思い出さないといけないのは、日本はドイツと組んで第二次大戦を戦った、彼らの「味方」だったってことだ。敗戦国=被害者じゃない。戦後すぐの日本映画を見ると、「ドイツの総統のヒットラーだ、かっこいいな」なんて子どもが言ってたりするのだ。それを見て愕然としたときの自分の気持ちを、忘れないようにしなきゃと思うのです。