映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

ジーン・ケリー監督「踊る大紐育」2666本目

これってジーン・ケリーが監督もやってるんだ。踊りというより冒頭からいきなり目立っていると思ったら、3人の水兵さんの一人はシナトラだ。もう一人はジュールス・マンシュイン。3人の歌と踊りのうまい水兵さんたちが歌いながらニューヨークの観光名所をめぐります。楽しい。観光映画か?(笑)

ジーン・ケリーって筋肉質で、フレッド・アステアみたいな私のイメージ通りの線の細いダンサーとは違うんだけど、森末慎二(懐かしい?)みたいな体操選手と同じタイプだと思えば納得できる。 

3人の水平さんはそれぞれ素敵な女性を見つけ(あるいは見つけられ)、たった一晩のニューヨークの夜を盛り上げようとします。エンパイアステートビル(当時もっとも高かった)の展望台で夜8時に待ち合わせて、11時半に一人が抜けてもそれからまたバーに繰り出す…ってなんて不夜城なんでしょう、戦後間もない1949年に。

クラブをはしごしてるのに、最初の店では黒人女性ダンサー、別の「上海」って店ではアジア系のダンサーがまったく同じダンスでフィナーレっていうネタとか、細かくて楽しい。

水兵さんは時間がないからすごく急いで口説こうとするんですね…今も同じなのかな。豪華クルーズ船で立ち寄った町での出会い、みたいなもんかな。

こういうディズニーランドでデートするみたいな映画って好きです(※ミヒャエル・ハネケだってタル・ベーラだって好きだけど)。たまにはこういう影のない光だけの映画を見るのもいいもんですよね…。 

踊る大紐育 [DVD]

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  • 発売日: 2015/12/16
  • メディア: DVD