ポランスキー作品にまだ見てないのって意外とあるな。楽しみ。
これは「「ローズマリーの赤ちゃん」のような心理的に追い詰める系のサスペンスかな。監督自身が主演してる映画って見るの久しぶりです。重体の前賃貸人を見舞う友人は、よく見るとイザベル・アジャーニだ。大きなメガネでヒッピー風。そして知り合ったばかりの二人が見に行く映画はブルース・リー。こんな映画見ながらよくいちゃつけるな…。しかしこれって「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」にブルース・リーが出てきたのとつながりますね。好きなんだなぁ、ポランスキー監督。
下宿の管理人のおばちゃん、見たことあると思ったら戦後の映画で何度か見た、ちょっとふくよかなシェリー・ウィンターズだ。
前賃貸人が窓から飛び降りた部屋っていわゆる「事故物件」だけど、その人が重体とはいえ生きていて、病院に見舞いにまで行くとリアルに生きている人なので、怖いって感じにはならない気がしますね。日本で作れば呪いの映画になりそうなところを、実際の危険はないけど精神的に追い詰められていくというふうに描くのがヨーロッパ風なんでしょうか。
ジャンルとしては「スリラー」という感じでした。ポランスキー監督って心理的に追い詰めてくる作品をよく撮るのに、いつも表情がなんだかおだやかでかえって怖いのですが、もしかしたら割合、「こうなったらどうしよう」となんとなく心配しているだけの意外とストレートな人なのかもしれない、とこの映画を見て初めて思いました。ストレートだからこそ、目に見えない恐怖を怖がりつつ憧れるような。
この映画はぜんぜん怖くないけど、割と面白かったです。