映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

ロナルド・ニーム 監督「ポセイドン・アドベンチャー」2652本目

1972年の作品。タイトルは覚えてる。名作(と私は思っている)タワーリング・インフェルノ1974年より前だ。私はこの映画は潜水艦パニック映画だと思ってた。なんとなく、ポセイドンっていう名前からして豪華客船だとは思ってなかったんだな…。ということは、これは、名前を変えたタイタニックと言っても過言ではなさそうです。しかもこの日は大晦日。暗転の大きさはショッキングなほどです。

やさぐれ牧師のジーン・ハックマンが人間味をかもしだしていて、利益に走る船主とのやりとりが後に影響してくるのですが、直接の遭難の引き金になったのはクレタ島沖の海底地震ということで、自然災害です。

昨日見たポランスキー監督の「テナント」にも出てたシェリー・ウィンターズが、ここでも画面に安心感を与えます。浦部粂子的…。

こういう映画って設定からして緊張感強いし、サバイバルのためのあらゆる知恵と身体能力が問われるので、見ているほうは自然と引き込まれますね。

だけど、だ。船長を見てるだけでどうしても全てがギャグに思えるのは何故だ。それは演じてるのがレスリー・ニールセン(「フライング・ハイ」だの「裸の銃を持つ男」の)だからだ!どうなのこのキャスティング。…でもこれより前の芸歴を見ると、それほど典型的なコメディには出てなかったのかもしれません(「禁断の惑星」にも出てたのね!)でも彼の出番はわりと少ないので、後半はジーン・ハックマンを中心にシリアスなムードのまま進んでいきます。

それにしても生存者が少ない事故だな…。船内でここまで大冒険をすることは実際にはあまりなさそうな気もするけど。(船の構造はシンプルだと勝手に信じてる。間違って得るかも…)

公開当時は、こういう映画って怖くて見られなかったな…それがすっかり「ヘレディタリー」を見てもギャグだと言い放つ鉄の心を持つに至ったか、私は… 

ポセイドン・アドベンチャー (字幕版)

ポセイドン・アドベンチャー (字幕版)

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video