映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

マイケル・アンダーソン 監督「80日間世界一周」2668本目

コロナのせいで世界一周に出かけられなかった腹いせじゃないですが、見てみることにしました。186分もあります。

「イントロダクション」という最初の章ではメリエスの「月世界旅行」やロケット打ち上げがゆっくりと収録されていて、なんとなくディズニーランドのアトラクションの中に入る前の長ーい列の途中で見せられる紹介映像みたいな感じ。

最近の現実的な世界一周の最短期間はだいたい2週間だそうです(※世界一周チケットを買って元が取れるくらい乗りまわる、という前提で)。この映画は気球という、どこにでも行けそうでどれくらい時間がかかるかわからない便利なものを使って飛んでいくんですね。最初から最後まで賑やかで楽しくて…有名な俳優が入れ代わり立ち代わり、ヨコハマには大仏があるしインドのお姫様は青い目だし、いろいろアレだけど全体的にディズニー映画みたいに健全。お正月特番みたいな映画ですね。楽しいけどあまり印象が残らない…。

この映画に限って言えば、マレーネ・ディートリッヒよりピーター・ローレが見られたことのほうが嬉しかったな…。彼ってハンガリー生まれでヨーロッパ一円の舞台廻りをした後でドイツ、フランス、イギリスで映画に出てからハリウッドで活躍して、「ミスター・モト」っていう日本人探偵の役が当たったという、いわば一人世界一周でした。

コロナが明けたら行くつもりの世界一周旅行の参考には、全然ならなかったかな(笑)。 

80日間世界一周 (字幕版)

80日間世界一周 (字幕版)

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video