この映画の「ブラックホールの本棚」の場面も、一生残る場面だったなぁ。
だけど最初に見たとき私は、「あと一歩」みたいなことを書いてた。もう一歩進んだところにあったと私が感じたのが「メッセージ」で、そこから原作を読んで現代中国SFも読み始めた。人類はまだ経験していないことに対して謙虚に観察と実験を続けるべきなのだ、きっと。
ガルガンチュアに突入する場面は、ガラガラといろんな破片がぶつかってうるさいけど、「2001年宇宙の旅」みたいだね。データを取るために自ら生身でブラックホールに飛び込むのって、これほどの自己犠牲があるだろうか?どうしても、たまたまそこに本棚の反対側があるという飛躍の納得できる説明が見つけられないけど、でも、面白いからよし。
次元の違いによって時間が稼げるという理論から、どんどん物語が膨らむ。妄想といってもいいし夢といってもいい。このくらい大きなことを想像して、丁寧に確実に執念深く積み重ねていくことが科学研究だし、映画の制作も同じだ。常に「その先」はあるから、映画で語ることは語りつくしたなんて思わないで、常に前を向いて作り続けてほしいと思います。