映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

ジョン・ジョーンズ 監督「ノーサンガー・アベイ」2698本目

英文学の授業では「ノーザンジャー・アビー」と習った気がする。ノーサンガー・アベイはコックニーっぽくないか?舞台はイングランド南部のバースだということなので、ロンドンとそう遠くないけど。

主役の純朴な女の子を演じるのは、スター・ウォーズ ローグ・ワンでちょっと悲壮な表情をしたヒーローを演じたフェリシティ・ジョーンズ。この役ぴったりですね。自然な純朴さ、まじめさや明るさが染み出てくるみたいです。一方、しょっぱなからヤケに馴れ馴れしい浮気がちな女性を演じたのが、なぜかクレジットにないけどキャリー・マリガン。今までのイメージだと彼女のほうが真面目な子を演じそうな感じだったけど、欲が強くて人をもてあそぶ女性をじつに豊かに演じています。悪い役がこれほどうまいなら、今後はもっと悪人を演じるのを見てみたいです。

キャサリンと恋に落ちる相手、ヘンリー・ティルニーを演じる人は、コリン・ファースかヒュー・グラントかルパート・エヴェレットをイメージしてしまったけど、軽妙で知的なJ.J.フィールドがまた、この役柄にはぴったりでした。

ヘンリーは可愛いキャサリンに「小説の読みすぎで妄想ばかりするようになっては駄目だ」とお説教する場面があります。結局のところ、幽霊屋敷は枯れ尾花で、人間味あふれれる男性と純真な女性が結ばれるというハッピーエンド。おまけにヘンリーの姉の人柄のいいエレナまで、もともと好きだった男性がたまたま遺産を相続したことで結ばれる、という。(上の2行はわずか15秒でナレーションによって語られるだけ)

進行の速さがテレビ映画だなーと感じさせますが、当時こんな人たちがいたんだろうなと実感できる、よくできたドラマだと思いました。ドレスも可愛かった~!