映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

アルフレッド・ヒッチコック監督「スミス夫妻」2712本目

アンジー&ブラピの「Mr & Mrsスミス」とは全く違う内容の作品だと、今知りました(笑)。1941年の作品なのでヒッチコックのイギリス時代の中では特に古い方じゃないんだけど、なぜかTSUTAYAの在庫が少なくてなかなかレンタルできませんでした。それにしても画質が悪い…サイレント時代並み。

そして内容は、とても、面白くない(笑)。めっちゃ男尊女卑で。アメリカとも思えないくらい、夫は仕事人間で「実は入籍したのが無効だった」と言われても妻とそれについて話し合おうともしない。妻が怒ってもフォローひとつしないで澄ましかえっている。妻は逆上してほかの男と結婚すると言い出す。…結局、夫が「仕事を何日も休んで君たちを追って芝居までしてやった」、妻の逆上は新しい男とその両親から見て「とんでもないワガママ」、最後は妻が「おお…愛してるわ…」。第二次大戦の参戦前後ですもんね…日本だってこの頃は着物姿の妻が夫に敬語使ってた時代だから…。にしてもこの映画の中の価値観自体が古すぎて、今これ見て共感できるのは女性が常にベールで顔を隠してる文化の人たちくらいじゃないかな…。敵対するスパイどうしの夫婦の殺し合いの映画のほうがよかったです。 残念!

スミス夫妻 [DVD]

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  • 発売日: 2013/06/21
  • メディア: DVD