映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

バスター・キートン監督「海底王キートン」2719本目

1924年は大正13年。あまりに昔で当時のアメリカの文化が想像できないけど、ノリが今と変わらなくて不思議。「全然笑えない」と感想を書いてる人も多いけど、古すぎてわからないというより、今はもう使い古されたってことかなと思います。すぐ女性が気絶するのが昔っぽいことを除けば、身体を張って海に飛び込んだり椅子が座ると壊れたり、というのは、きっと当時は新鮮だったんじゃないかな。船内が常にちょっと揺れてるのは、カメラのほうを動かしてたのか?それとも船室にカメラを持ち込んでロケをやったのか?それにしては光の量が多いので、だとしたら相当な照明を持ち込んだんだろうな。

着るものがなくて水兵さんの服を着る女性の姿が可愛い。二人とも世間知らずで、転んだり滑ったり、びしょぬれのトランプでヒマつぶしをしおうとして当然ぐちゃぐちゃになったり。ときどき出る文字の説明を字幕は半分くらいしか訳していなくて、雰囲気を十分に伝えてないのはちょっと残念。それしか情報ないので(笑)。

裸に腰ミノだけの人たちを見て「人喰い族よ!」ってのは、今ならないよな…。