映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

エドワード・セジウィック監督「キートンのカメラマン」2720本目

活動写真はあってもスチル写真のカメラをまだ一般の人は持ってない時代だったんだな。1928年は昭和3年。記念写真屋のキートンは、いっぱしの報道カメラマンを目指して事件を追いかけますが、まぁ喜劇なんで「これはないだろう」というような失敗続き。

ジムでは、太った男性と狭い更衣室でいつまでたってもぶつかりながら着替えてるのがまどろっこしい…その後たどり着いたプールでは、女性の水着がこの頃はもう普通のワンピース型だなぁ、なんてところに注目してみたりして。(袖が長くて太ももあたりまで覆うような昔の型じゃなく)帽子をかぶってる人が多い以外は、ファッションもデートも、さほど今と違わないのに車やカメラが恐ろしくクラシックなのが面白い。この100年たらずで電子機器テクノロジーは格段に変わったけど暮らしかたはあまり変わってないんだな。

いつの間にかキートンは活動写真屋になっていて、サリーの情報をもとにあちこちに取材に出かけます。

チャイナタウンの場面では中国人がみんな土産物みたいな帽子をかぶってチャイナ服を着てるけど、当時ほんとに着てたのかな。この場面は大勢で撃ち合い、取っ組み合いなどがあって、ダイナミックで面白いです。おサルさんも大活躍!というか、おサルさんしか活躍してない(笑)。新聞社はおサルさんを社員として迎えたほうが良かったんじゃないかな‥‥。