映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

アーロン・ソーキン監督「シカゴ7裁判」2731本目

これは10年以上計画し、制作し、配給の段階で初めてNetflixの手に渡った映画。配給権5600万ドルって60億円近いです。興行収入は10万ドル、わずか1000万円か。つまりほぼ100%配信印税で利益が出せる自信があったわけだ。いったい何人がNetflixで見ればいいんだ…。サブスクリプションって自動的にどんどん課金して、下手すると映画館に年に1回しか行かない人からも年間9600円取れちゃうビジネスだからかなり売上が大きい。全世界のユーザー数、今1億9500万人。そのうちの半分が6円換算、10分の1のユーザーしか見なくてもひとり60円のサブスク料金を負担するだけでペイするわけだもんな…。すごいな転職できないかなNetflix…

さて。「シカゴ7裁判」のことはまるで何も知らなかったので、ネットで調べて他の方々のレビューも全部読んでから鑑賞。法廷劇は一見では私には歯が立たない~~

サシャ・バロン・コーエン、エディ・レッドメインにジョセフ・ゴードン=レヴィット、ジョン・キャロル・リンチ。個性がバラバラな人たちを起用したことで、反戦運動が自然発生的に各地でバラバラに発生したという特徴が際立ちます。

とても面白いんだけど、裁判の進め方があまりにもデタラメで恣意的で、誇張しすぎ?と思ってしまった。でもWikipediaに書いてあることと同じだった。(Wikiが偏ってないとは言い切れないけど)アメリカの司法がこれほど崩れてたら、世界中のどこでちゃんと裁判が行われてるんだろう?

戦争で亡くなった人たちの名前を読み上げる場面は、まだ10代とか20代の少年たちも多かった。そういう若い子たちを戦争に追いやる戦争を推進してるのはおじさんやおじいさんたちだけど、彼らにも息子や孫はいないんだろうか。ベトナム戦争は狂気の戦争だったんじゃないかと思うけど、関連する国内の状況も狂ってたんだなと思いました。狂気のトランプ政権が終わって協働のバイデン政権が始まっても、コロナで各国、各地域の分断は深まってるから、この先まだ明るくはないなぁ。