映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

ライアン・フレック監督「ハーフネルソン」2765本目

この映画をレンタルした理由は、私がもう40年くらいずっと愛聴しているスパークスというアメリカのグループが、デビュー前に名乗っていたグループ名が「ハーフネルソン」だから。いったいどういう意味なんだろう?…辞書で調べたら「レスリングの羽交い絞め技の一つ」。英語の「Yahoo知恵袋」みたいなサイトのQ&Aに質問が出てて、「麻薬に羽交い絞めにされてる、ってことでしょ」という回答がありました。それが本意なら、日本公開の際にタイトルをカタカナにしただけって、意図を伝えることを放棄してる感じがするな…。(「羽交い絞め」という名のロックグループもどうかと思うので、改名して良かった)

映画は淡々としていて、偏見のないいい教師だなという感じのライアン・ゴスリング先生が実はヤク中で、売人は生徒の兄。そんな俺たちだけど負けないぞ、そんな感じの映画でした。(もう少しましな言い方はないのか、私)

知的で優しくてリベラルだけど、ちょっと弱くて中毒が克服できない白人教師と黒人の生徒、というこの映画の設定がほっこりと受け入れられたのは、トランプ政権やBlackLivesMatterの前の2006年だから、という事実はあると思います。またこういう映画が増えて、みんなでなんとかやっていこうぜ、という雰囲気の世の中になっていくといいな…。

ハーフネルソン(字幕版)

ハーフネルソン(字幕版)

  • 発売日: 2017/06/24
  • メディア: Prime Video