映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

片渕 須直監督「この世界の(さらにいくつもの)片隅に」2781本目

すずさんが可愛いすぎるし、りんさんも、家族たちも、夫たちも、やわらかくて優しい。みんな作者から愛されてる。どんな人も、普通にいっしょうけんめい生きているだけで可愛い。…という意識で描かれてる。

遊郭のりんさんの昔のエピソードが語られるようになったけど、彼女も遊郭のほかの子も、ふんわりしなやかに笑ってばかり。彼女たちは苦しい顔を見せなかったな。昼間の彼女たちはそんなふうだったのかもしれないね。

DVDジャケットとかポスターとかのビジュアルが、2016年のオリジナルは「若い嫁」という感じのすずさんだけなのが、こっちはすず&りんの二人だ。つまりこの作品は、恋したりしながら生きた女たちの物語。二人は背中合わせにいる。決して対抗するのでもなく、仲良くなりすぎず。

不発弾が爆発する場面とか、知ってるから先をみたくないなぁと思ってしまう。

広島に原子爆弾が落ちた後のことは、呉にいても様子がなかなかわからなかっただろうな。 広島の妹はその後生きられたんだろうか。

この映画について語るべきことは、もうとっくに他の人たちが全部語りつくしてしまったと思うけど、2016年のオリジナル作品が公開されてから今までに、日本だけじゃなく全世界で公開されてこの映画は膨大な数の人たちに見てもらえて、大きい利益をあげることができた。でも元は資金に困ってクラウドファンディングをしたのだ。この映画を応援してクラウドファンディングに参加した人たちも、利益が大きかったら製作委員会のメンバーとして配分を受けられるような仕組みができたらいいのにな。

この世界の(さらにいくつもの)片隅に

この世界の(さらにいくつもの)片隅に

  • 発売日: 2020/07/27
  • メディア: Prime Video