映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

フョードル・ボンダルチュク 監督「アトラクション 侵略」2782本目

ストーリーを無視して、ひたすら絵面だけを見てるととても面白い。(けなしてないです)CGのショーケースみたいな映像もだけど、「惑星ソラリス」以降のロシア映画って私だけでなく誰もあまり見てないと思うので、スタッフやキャストの名前の語尾(チェコとかチュクとかシェンコとかスキーとか)を眺めたり、台詞のロシア語の語感に耳を澄ましているだけで、楽しい。

これってアメリカなら「トワイライト」シリーズを見てるようなロシアの10代の子たちが見るのかな。だからドキドキする恋愛が必須。刺激が欲しい、まだ深みは欲しくない。(もちろん、青少年向けの映画でも大人が深みを感じるものはいくらでもありますが)あっ、日本も同じですね。日本の民放のドラマとか、似たような印象を受けるものがけっこう多い。

せっかくの映像技術。最近の北欧ホラー…いや、相性でいったら最近のものすごく出来のいいチャイニーズSFをこの技術で映画化したら、ハリウッド顔負けの超大作ができるかも。ぜひやってほしい、「折りたたみ北京」とか。(香港で作ったら「チャイニーズ・ゴースト・ストーリー」みたいにハチャメチャな絵面になりそうだし)

アトラクション 侵略(吹替版)

アトラクション 侵略(吹替版)

  • 発売日: 2020/09/18
  • メディア: Prime Video