映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

ルイス・サイラー 監督「男性都市」2789本目

原題「ピッツバーグ」が邦題「男性都市」。工業都市ピッツバーグは、主役の名前でもある。彼=町の名前、ということで「男性都市」になったのかな。無理やりっぽい~~

タイトルバックはドキュメンタリーみたいな工場の稼働風景。会社のお偉方たちが役員室で過去の自分たちとひとりの女のことを懐かしく思い返している…。ルイス・サイラー監督の作品は日本ではあまり公開されなかったみたいですね。舞台みたいにやたらと言葉が聞き取りやすいし、役者たちの性格も明確。わかりやすい娯楽映画をたくさん作った監督なんじゃないだろうか。クリアな白黒映像。

前に見た「妖花」同様、この映画でもディートリッヒ様はジョン・ウェインと共演してますが、どうもベルリンのキャバレーと西部劇が浮かんでしまって違和感をおぼえてしまう。

ジョン・ウェインとランドルフ・スコットがパートナーとして会社を興したあとジョン・ウェインの横暴で絶縁。その後ランドルフ・スコットの方も専制君主のようになりかかっていたところをジョン・ウェインが戻ってきて会社が軌道に乗る。 重要なポイントで2人の間を取り持つのがディートリッヒ様。彼らの事業が持ち直すのは第二次大戦のための軍需産業で、「そこでは女性も力を合わせて一弾となって工場などで活躍しました」という戦時映画の色もついていて(1942年だもんな)、ディートリッヒ様ったら反戦の士じゃなかったっけ??

この映画の彼女は、まだ痩せすぎていなくて可愛らしいんだけど、場末のキャバレーっぽいゴテゴテ、ピカピカしたドレスや髪型がちょっと微妙。

でもわかりやすくて面白い映画でした。ある意味貴重なものを見たという気がします。。。