映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

ラヴ・ディアス監督「立ち去った女」2811本目

この作品は3年前に、DVD化されてすぐ見たんだけど、Amazonプライムに出てたのでまた見てみました。3時間48分。

アルフォンソ・キュアロン「ROMA」が光でこっちが陰、と対比したくなりますね。両方コントラストの強い白黒で昔のルイス・ブニュエル監督作品みたいだし、主役は白人じゃなく市井の働く女性。どちらの主役の女性にも災難はふりかかってくるけど、周囲の人たちの優しさもある。

長い作品なんだけど、作為的じゃなくて、最近テレビでもちょっと流行っている、何もないところのライブ中継みたいな感じなので、そこにいて一緒に何もせずに過ごしている感じに馴染めれば大丈夫なんだと思う。だからむしろ映画館で緊張感を持って見るより、台所で作業しながら見るのがぴったりくる気がします。(緊張感が必要な場面もありますが)

再び見ても、じっくり、じーんと見ごたえのある作品です。Amazonプライム会員無料なので、ぜひ。 

立ち去った女(字幕版)

立ち去った女(字幕版)

  • 発売日: 2018/04/03
  • メディア: Prime Video