映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

フローリア・シジスモンディ 監督「ランナウェイズ」2814本目

VODってリコメンドのせいもあって、音楽映画を見始めると片っ端から見てしまうな。

ザ・ランナウェイズ。みんな覚えてるのかな。1970年代に人気だった、下着姿で歌うアメリカのガールズバンド。来日して歌番組にも出てたよね?その後自分のバンドで成功したジョーン・ジェットが今63歳、ボーカルのシェリー・カーリーが今61歳、写真を見ると若々しくて今もきれい。50年近く前のバンドだから、当時まだみんな10代だったってことだ。

バンドを組む前の彼女たちのバックに流れるのは、ちょっと先輩だったスージー・クアトロの曲。歴史だ。

ドキュメンタリーかと思って見始めたけど、みんな若くて可愛い。なんとジョーン・ジェットをクリステン・スチュワート、シェリー・カーリーをダコタ・ファニングが演じてて、よく雰囲気出てます。特にクリステン・スチュワートは、彼女の映画の中で一番ぴったりって気がするなぁ。彼女たちから見たらランナウェイズって、親の世代?私が感じたようにカッコいいって思うのかな。みんな演奏できたし、それぞれ個性的できれいだった。

このバンドにとって、日本で(だけ)バカ売れしたっていう事実は、それなりに大きなことなんだろう。大きすぎたのかも。双子の片方だけがスターになるっていうことも、家族の中では大きい。

1970年代の日本はまだ「ゴールデンハーフ」とか「リンリン・ランラン」といったエキゾチックな美少女たちが、おもちゃみたいに売られてた時代。ランナウェイズも、外国から来たお人形たちみたいに大人は思ったんだろうな。でも子どもたちは「カッコイイ!!」と 憧れるのだ。

リッチー・ブラックモアみたいにリードを弾きまくるのはリタで、ジョーン・ジェットはサイドギターだったし、ボーカルもサイドボーカル。曲もパンチはあるけど名曲ってわけじゃないし、と思ったけど「アイ・ラブ・ロックンロール」は大ヒットした。なんかすごくカッコ良かったんだよね、彼女そのままって感じで。最後に現在の状況が字幕で流れたのはシェリーとジョーンだけで、リタはハードロック・ギタリストとして今も世界ツアーをやってるけど、ドラムのサンディは犯罪にも手を染めて貧しい生活のまま47歳で亡くなったとのこと。ベーシストはロビン・ロビンズっていう架空の名前になってるけど、ルックスから見てモデルにしたと思われる最初のベーシストだったジャッキー・フォックスは、その後弁護士資格をとってエンタメ・ロイヤーとして活躍してるらしい!

なんか、世の中って難しくて面白い。。。あの頃のきれいだった彼女たちのことを思い出せてよかったです、私は。

ランナウェイズ (字幕版)

ランナウェイズ (字幕版)

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video