映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

リューベン・オストルンド 監督「ザ・スクエア 思いやりの聖域」2824本目

「フレンチアルプスで起きたこと」の流れで見てみます。これパルムドール取ったんですね、きっとこっちの作品の方が有名なんだろうな。 

「フレンチアルプス」と同様、気弱なところのある男がまんまとバツの悪い状況に陥る、というパターンが繰り返されます。アートの炎上プロモーションも、スリを攻撃する手紙も、部下のチャラ男たちが勝手にやらかしたことなんだけどなぁ。

でまた、この主役がモデルばりにイケメンなのが、なんとも哀れな感じ。

それにしてもパーティを荒らす”ゴリラ男”のなりきりっぷりはすごいわ。このテリー・ノタリーという俳優、「猿の惑星」シリーズやキング・コングにも出てるらしい。全部、類人猿の役かな。人間の姿のままであのゴリラをこなすのって、やりづらくなかったかな。

この作品は「一風変わっている」けど、「歴史に残る名作」ってわけじゃないと思う。これが賞を取るならレオス・カラックスやデヴィッド・リンチが受賞してもいいんじゃないか。リンチは取ってましたね。(←わざと言ってみた)ほんとに大きい賞の選出基準ってわからない…。