イザベル・ユペールがイカれたおばちゃんの役をやる映画は、とりあえず全部見たい。この映画は英語。英語をしゃべってる彼女は、少しキツさが和らぐけどやっぱり怖いものは怖い(笑)。
なんというか、彼女がただそこに立ってるだけで怖いのは、(私の場合)怖い彼女をだいぶ見ているので、”ジェイソンが来た!効果”もあるな。クロエ・グレース・モレッツは少女みたいに初々しいので、ユペール先生と対峙したときの頼りなさが際立ちます。
エスカレートしはじめたユペール先生のストーキング能力はスゴい。神出鬼没すぎて、生身の人間とは思えません。そして演出はあくまでも恐怖映画の手法。同居の友人は外に追いやられ、お嬢ちゃんは幽閉されてしまいます。…先生は今回グレタという名の、この世のものではない妖怪か怪獣の役どころといっても過言ではなさそうです。
この映画はサスペンスというよりホラーですね。探偵弱すぎ。友達と父が気づくの遅すぎ。。。病院から相当の量の薬物を盗んで”ハンガリーに戻った”彼女が後を追われることもなく、ヤバい記録が残ることもないし。バラまいたバッグのうちいくつかは駅に届けられて、毎回同じものが届くのがおかしいと勘づいた担当者もいたりして。
この前に見た「ザ・スクエア 思いやりの聖域」も、やたらお人よしのマーケッターがドツボにはまる映画で、もはや親切は”巻き込まれフラグ”でしかないのか…という寒ーい気持ちになる映画でした。