イタリアン・ホラーだけど、明らかにイタリア語吹き替えで口がパクパクしてるので、音声を英語に切り替えて見たら口と台詞が合いました。でもときどきイタリア語になります。英語版が現存している「インターナショナル版」は「インテグラルハード完全版」より短いので、足りない部分はイタリア語ということらしい。英語音声で見ると、「インテグラル」でどこが追加されたかがよくわかって面白い。
音楽がいいですね、「サスペリア」と同じ「ゴブリン」。この音楽がないと、アメリカの学園ドラマに血を塗りたくっただけみたいになりそうだけど、音楽があると神秘的で美しい情景に見えてくるのが不思議。(ときにヘビメタも流れるけど)
ジェニファー・コネリー、芝居らしい芝居はしなくてほぼ無表情だけど、美しいなぁ。髪がすごくきれいな人って憧れる。「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」の翌年なのに、一気に女らしく成長してます。この時期の女の子って、目を離せないような魅力があるよな~。
しかし映画は、「サスペリア」同様の構成や編集の荒さが目立って、「ショッキングなイメージ映像集」みたい。「サスペリア」の、カラー映画初期みたいな毒々しい原色だらけの美術と違ってこの映画はすべてナチュラル、というか、ジェニファーはだいたいいつも純白のワンピースなので、白いイメージが頭に残ります。
昆虫たちのアイドル(なんか「ナウシカ」思い出すな)って設定なのに、ジェニファーの袖の上を実際に歩いてるのは成虫だけで、うじうじっとした奴らは別の人の腕で撮影されてますね。(その方が見てて安心かも…)
最後の場面が湖で、「13日の金曜日」を見た人なら「湖の中から何かが出てくるかもしれないので気を付けろ」と言いたくなりますが、敵はそっちから来るとは限らなーい!
むちゃくちゃなんだけどすごく面白い妄想の世界なんだよなぁ。出来のいい映画だけが面白く、見るべき作品だ、というわけでもないなと改めて思ったのでした。