映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

パスカル・トマ監督「アガサ・クリスティ―の奥さまは名探偵」2837本目

これもフランス映画。フランスでクリスティブームがあったんだろうか。フランス語の語感、フレンチな雰囲気って、軽いようで皮肉っぽくてスタイリッシュで(普段あまり見てないからかもしれないけど)まだまだ新鮮に感じます。原作はKINENOTEには書かれてないけどトミーとタペンスのシリーズの「親指のうずき」だそうです。

「奥さま」、ふっくらとしたお人形みたいな顔を見たことがあるなーと思ったら、大統領の料理人、カトリーヌ・フロですね。彼女が若々しいから親子ほど年齢が違うように見えるけど、夫役のアンドレ・デュソリエとは11歳違い。

クリスティの原作は、怪しく見えない人に信じられない過去があるんですよ。映画になると、「あんな弱そうな人が?納得いかない~」みたいに、いわゆる映画的な納得感がなかったりするのかもしれません。かなーり意外性が高く、かつ、何言ってるかわからない台詞はだいたい真実で、重要なヒントになってることがあります。ボケてると思ってた人が全然ボケてなかったり…。

クリスティの原作が一番、納得感のある形で映像化されたのは、昔よく「ミステリチャンネル」で見たBBC制作のテレビ版だったかもな。知ってる俳優が一人もいないのと、みんな演技がうますぎるので、最後の種明かしの満足度が高かった記憶が…。Amazonプライムで片っ端から見てみるかな…。

雰囲気のある老婆ローズ・エヴァンジェリスタを演じたジュヌヴィエーヴ・ジュジョルドはカナダのケベック出身で、なんと「まぼろしの市街戦」のコクリコちゃんですって。村の真面目なおばちゃんを演じたヴァレリー・カプリスキーは、なんと若い頃はリチャード・ギアと「ブレスレス」に出てたセクシー女優でした。いろんな人がいろんなところに出てる映画だった!