映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

増村保造 監督「音楽」2843

これは大橋裕之原作のアニメじゃなくて、三島由紀夫原作の1972年の作品。間違えてレンタルしたわけじゃないです(笑)。数年前にこの原作のほか数冊、彼が書いた大衆小説(「平凡パンチ」に連載したような)を読んだら、面白くて達者でびっくりしました。今なら例えば、人気コピーライターが書いた小説みたいな、人気作家っていうイメージ。没後に時系列をさかのぼって見ていくと極右って先入観が強くなるけど、元々はみんなに見られたい、愛されたい、という人だったのかも。

この作品は、精神科医を訪れたある女性と彼女をめぐる男たちの、性と不能の物語。音楽が聞こえない=不感症、何度も繰り返し現れる大きな鋭いハサミは欲望を禁じる神の裁き、か。

原作は面白かった記憶があるんだけど、映画はみんな演技過剰な感じがするし、ただのポルノ映画みたいでもあり。原作はもう少しクールなイメージだったのかな…。

(それにしても、幼少のころのアイドル、ウルトラセブンはこんな役やっちゃダメだ~~セブン~~) 

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