映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

ジョエル&イーサン・コーエン監督「ヘイル、シーザー!」2865本目

<ネタバレあり>

なんでコーエン兄弟の監督作品なのに見てなかったんだろう。やたらと評価点が低いけど、見てみたら確かにわかりにくい映画だ。山のようにいろんな事件の端緒が演じられるけど、結末は他の人が語るだけで、その頃には当事者たちはどっか行っちゃってて、「ちゃんちゃん!」とまとまった感がない。チャールトン・ヘストンのようなジョージ・クルーニーがヘイル・シーザーという名のベン・ハーの撮影スタジオから誘拐される、というのが一番大事件だけど、ほかの事件に比べて大きく感じられない。いや、ジーン・ケリーのようなチャニング・テイタムが潜水艦でソ連に亡命するほうが大事件?(その2つのエピソードはつながってるけど)。

フランシス・マクド―マンド、やっぱり好き。ハリウッドにはいろんなスキャンダルや事件があとを絶たないんだろうけど、たいがいの映画は面白い。

そして思う。10年ほど前に映画を集中して見始めた頃、コーエン兄弟やポランスキーやキューブリック、ミヒャエル・ハネケや今村昌平…「この人は!」と思った監督の作品を片っ端から見まくっていた時期が一番幸せだったな~。あらゆる名作を初めて見るという感動の毎日だったわ。最近さすがにたくさん見すぎてるからか、新鮮な驚きがなかなかないな…。 

ヘイル、シーザー! (字幕版)

ヘイル、シーザー! (字幕版)

  • 発売日: 2016/07/20
  • メディア: Prime Video