映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

小泉堯史 監督「博士の愛した数式」2875本目

2005年の作品。これも、ずーっと長いこと、いつか見ようと思ってました。レンタルするタイミングも逃して、なぜか今テレビで流れたので早速見ます。

なんかいい世界だな。豊かではないけど、平和で、将来にうっすら希望が持てる時代の日本の片隅のできごと。今はなんでこれほどのささやかな希望も持てないんだろう?コロナがあろうとなかろうと、いいことが起こる可能性がなくなったわけじゃないのに。こういう世界で暮らしたいな~

深津絵里が明るくて可愛い。寺尾聡も、はまり役。吉岡秀隆もまだ初々しくてぴったり。彼の子供時代を演じてる齋藤隆成くんも雰囲気が似てていい。浅丘ルリ子の、クラシックで、そこだけ「昭和」な感じも美しい。

極端なことをいえば、世界が小さければ小さく、時間が短ければ短いほど、完璧な幸せを作れるのかもしれない。若いときは外へ外へ、もっとたくさん、もっといろんなこと、と思って世界を広げてきたけど、もういいんじゃないか…。自分なりに完璧なお弁当を作って、完璧なお天気の日に、完璧な河原へお散歩へ行く、みたいな幸せをこれからは求めてみたいな、とこの映画を見て思いました。

博士の愛した数式

博士の愛した数式

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video