映画「ニューヨーク公共図書館エクス・リブリス」→自伝「パティ・スミス ジャスト・キッズ」→ドキュメンタリー映画「ブコウスキー オールド・パンク」→詩集「ブコウスキー 死をポケットに入れて」ときて、この映画を見てみることにしました。乱読、乱鑑賞はこうやってつながりを辿って行くのが楽しい。
この映画は彼自身の脚本による自伝作品。すでにドキュメンタリーを見てるので、彼がバーカウンターにたかるハエみたいにいつもいる常連だったことも知ってるけど、ドキュメンタリーよりドラマ化したこの映画のほうが汚っぽい。実際にブコウスキーが入り浸ってたバーやホテルの部屋を使って撮影をしたらしく、壁紙がボロボロだったりするんだけど、それより、いつもニヤニヤしているミッキー・ロークが、常にちょっと暗いまじめな表情の本人と違う。本人がとても品のいい人で、口調は優しく知的で穏やかなので、ミッキー・ロークも性格的には近い感じだけど。
それにしてもフェイ・ダナウェイって本当に素敵。知的で服装はかちっとして、メイクも薄めだけどすごく色気があって。
ブコウスキー(この映画では「チナスキー」がバーで仲良くなった女が別の男と泊りに出かけたり、殴り合って血まみれになったり、こんどはチナスキーのほうが別の女を連れて帰ったり…という、バーを巡る3日間の日常を描いた作品で、なんということもない世界なんだけど、 (監督がコメンタリーで話すように)バーテンダーが人に優しかったり、何度も同じ失敗をして笑いが起こったり、そういう日々が大切なんだなと感じさせる作品。
バーに通って女をひっかけて…って日本でも行われてるんだろうか。私もそういえば新宿某所の地下のバーにボトルを入れて大人ぶってた20代の頃があったのを思い出してしまった。(ナンパは皆無だった、残念ながら)