いいもの見た。正しすぎるくらい教育的で、かつ、面白く、学ぶものが大きい。
DVDには映画に先駆けてネットで公開された短編(白人のレイシストが黒人の復讐で全身いれずみの真っ黒な体になる物語)も入ってるし、監督の長いインタビューも入っています。
教育的すぎて、授業で見る映画みたいに起承転結、勧善懲悪がはっきりしてるけど、ネオナチの少年たちが拾われて育てられた事情も描かれているし、イベントに呼ばれた母と子たちがたまたま「アンチ・レイシズム」でなければ主人公が転向することもなかったかもしれない。ほんとうに紙一重だ。
この映画が、直感的に”こわい”感じがするのは、ネオナチとして登場する筋骨隆々とした若者たちの迷いのなさ。まっすぐ見つめる視線の強さ。そういうのがリアルだから。この間アメリカの大統領選のあとに殴り込みをかけた人たちと雰囲気が似てる。
でも、開き直って自分こそ上等な人間だ、としたり顔で、どこかで見たような言葉で人を責める人ってめちゃくちゃ多いよなぁ。怖いことが多い世の中だけど、逃げ回るだけじゃ克服できないのかな。どんな人にも大きな心で接して、包んであげられるようになれたらいいんだけど。レイシストの転向をサポートしつづけるダリルみたいに。