これは見てなかったんだよな。
あしながおじさんというと、もはや日本では「あしなが育英会」が浮かぶんじゃないかと思うけど、私は原作がすごく頭に残ってる、ということは、多分家に本があったんじゃないかな。で、なぜ「足ながおじさん」にフレッド・アステアが出るんだろう?と不思議に思いました。ダンスの場面なんて全然思い出せなかったから。でも見てみて納得。ジュリーはスポンサーのおじさんのことを、ああでもない、こうでもない、と想像して、本人にそれをいちいち手紙に書いて送ります。少女の想像の豊かさ、おもしろさをアステアが演じて踊り分ける場面を見て、ぴったり!と思いました。
アステアって世界の映画史上もっとも優雅に踊れる身体を持った人だな、と何回見ても思います。彼の相手役は誰がやってもまるで「月とすっぽん」にしか見えない。たぐいまれなダンサーを二人揃えることって不可能なことなのかな。
…というのを除いても、ジュリーって知的で夢見る、ちょっとオタク美少女みたいなイメージだったので、赤毛であけすけな雰囲気のレスリー・キャロンは私の想像とは違うなー。 (巴里のアメリカ人で踊ってたのも彼女なのね)
原作はジュリーの手紙で構成されてるので、長い長いダンスシーンは違和感あるな。3203号室しかないホテルの部屋で香港みたいなアジアの町やリオという名のカーニバルっぽいくないダンスの場面とかは、この映画の進行には不要なので、時間稼ぎに見えてしまいます。これさえなければ…(個人的感想)
古き良き時代のロマンチックなおとぎ話、でした。夢は叶う、って信じられたらそれだけで美しくなれそうなんだけどなぁ。