映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

ヴィンセント・ギャロ監督「バッファロー’66」2905本目

劇場には行かなかったと思うけど、当時DVDで何度も見たのを覚えてる。スタート画面で、クリスティーナ・リッチがオルゴールの人形みたいに「ムーンチャイルド」に合わせて踊るのが繰り返してた。今回はU-Next(おためし中)で。

公開当時、クリスティーナ・リッチ演じるレイラはまだ幼くて、誘拐じゃないか!好みの子をさらってきたらダメな俺なのに惚れられた、ってそんな調子のいい話があるかい!って思った記憶があります。オシャレだけど何よ、っていう。(そんなふうに思う自分が幼かった)

「アダムスファミリー」でクリスティーナ・リッチの母親だったアンジェリカ・ヒューストンがヴィンセント・ギャロの母親役。あの映画の出演者みんな大好きなんだよな…ラウル・ジュリアもクリストファー・ロイドも。ギャロ監督もそうなのかな。

21年ぶりに見たら、やっぱり「ダメな俺に可愛い子が惚れる」のはめちゃくちゃ都合がよすぎると思ったけど、あんなチンピラの息子が真剣にウソついても親が本気にするわけないだろ… 。いろいろダメダメで憎めない映画だなぁ。レイラが本当に「誰よりも優しい」彼に惚れたとしたら、前の男が暴力野郎だったとか、かな…(描かれていない背景を勝手に想像する)

でも、この映画が好きな人がたくさんいる理由がよくわかった気がします。21年前の私にはヴィンセント・ギャロがすごくおっさんっぽく、くたびれて見えたけど、今の私にはやんちゃなガキに見えてなんだから可愛い。だんだん好きになるのがカルト映画か…。

バッファロー'66 Blu-ray

バッファロー'66 Blu-ray

  • 発売日: 2012/09/05
  • メディア: Blu-ray