NetflixとAmazonプライムに同日に追加されたので、Netflixで見てみました。
前に見た「永遠のモータウン」は、名前が知られていないソングライターたちに焦点を当てたものだったけど、これはモータウンの創立者自身にモータウンを語らせるという、ど真ん中のドキュメンタリー。ソングライターとしても珍しくきわめて有名なスモーキー・ロビンソンも出演して、彼の曲がどんなにロマンチックで女心をとろかせたか、とおちょくられてるんだけど、確かにモータウンの楽曲はスイートで都会的で、B.B.キングとかのR&Bとは別物でした。こんなレジェンドたちが自分の口で当時のことを語る映画なんて、もうすぐ多分作れなくなっちゃうから、こういう映画を作ったのは本当に大事なことだったと思います。
マーヴィン・ゲイの話す声は初めて聴いた…高くて優しい声だなぁ。
マーサ&バンデラスのマーサが最初はできる秘書で、ある日歌う人がいないときにマイクを取って歌ったのが「ダンシン・イン・ザ・ストリート」だなんて、素敵。
11歳のスティービー・ワンダーがどんな楽器もこなしたこととか。
シュープリームス(いまは発音に合わせてスプリームスっていうのね)の最初のヒット曲を録音した風景が映像で残ってるのもすごい。
ああ、音楽ってやっぱり素晴らしい。
スティービー・ワンダーもマイケル・ジャクソンもまだ10歳前後の小さい頃にデビューしてるけど、ソングライターもミュージシャンも経営者も若い。(だから2019年に本人たち出演のドキュメンタリーが作れる)会社にしてもなんにしても、若い人たちのパワーを殺さずに最大限に生かすことでしか、これほど爆発的な変化は起こせないんじゃないかしら…。
創立者が「フォード方式で曲を作った」と言ってるけど、要は作詞作曲、歌、演奏、と得意分野に特化できたのが強みだったんだろうな。得意な人たちに得意なことをさせる、という意味で、人種や年齢にこだわらないほうが強いのは当然。
「永遠のモータウン」では西海岸への移転は”残念なこと”と語られてたけど、この映画では移転を決めた人自身の言葉で、テレビに出すことが重要だったと語られてました。両面の事情…。
モータウンの若い幹部には女性もたくさんいた、ってのもいい話だ。私もいろんな会社で、鋭い若い女性とたくさん仕事してきたし、自分自身も30前後の頃が一番キレキレだったんじゃないかと思うこともあります。今のほうができるのは、世の中全体の流れとか「人間ってやつは」によって将来を見越すこと「だけ」だと思う。
ニール・ヤングまで「振付を覚えさせられた」ってのは爆笑。。。
ひとつ気になったのは、私ていどの音楽好きでは、ミュージシャンのフルネームやグループ名全体を見ないと「ああ、あの人たちか!」と理解できないのに、省略してファーストネームとかグループ名の一部だけしか字幕に出ない箇所が多いこと。文字数の制限があるのはわかるけど、出さないとわからないときははみ出しても出したほうがよくないかなぁ。「マーヴィンが」じゃなくて「マーヴィン・ゲイが」って、実際に喋ってる言葉にフルネームが含まれてるときは、話者自身がそこまで言わないとわからないとわかってるからだし。 …そういう意味で、やっぱり家で何度も巻き戻しながら見るしかないんだよな、できるだけよく理解するには。。。