映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

デイヴィッド・リンチ監督「デューン 砂の惑星」2924本目

時代のせいか(1984年作品)、「ラビリンス(1986年)」と似た作り物っぽさをずっと記憶してるんだけど、全ツインピークスをはじめとするリンチ作品を見直しているのでこれもみなおしてみました。

当時は「スティングやっぱ美形だな」しか意識しなかったけど、カイル・マクラクランは何というか…たまたまアイドルに持ち上げられたけどすぐ身を持ち崩しそうな美少年、みたいな危うい雰囲気があるなぁ(ひどいこと言ってますが)。リンチ監督は彼のそういうか隙のある、悪にも流れかねない軸のなさみたいなのをきっと気に入ったんだろうな。

あ、リンチ監督出てる。砂の上を走る乗り物のドライバーだ。…しかしストーリーがさっぱりわからないな…。2回通しで見たけど。監督が監督だから、わかりやすさを重視しなかったんだろう、という推測をしてしまう。暗い画面、心の中であれこれつぶやく登場人物たち、異形のものたちなど、見ていて面白いものは多い。しかしこのわかりにくさは、マルホランド・ドライブやツイン・ピークスみたいに「謎めいて面白い」と感じない。理解すべきことが理解できない、っていうフラストレーションがちょっとだけある。(その一方で、わからないけど見てて面白いからいいや、という気持ちもある)

昔これ見たときは多分、自分にはどうせ理解できないと諦めて眺めたから「意外と面白い」と思ったんだろうな。でも30年後に見ても「わからないけど面白かった」としか書けないとは、進歩のなさを露呈してるな私…。

デューン (字幕版)

デューン (字幕版)

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video