映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

ヘクトール・バベンコ 監督「蜘蛛女のキス」2927本目

8年前に見たけど、ぜひもう一度見たかった。

やっぱりラウル・ジュリアがいいんだよなー。ウィリアム・ハートもとてもいいけど。

最初は堅い表情のテロリストなんだけど、だんだん同室の”オカマ”の話に心を開き始める。笑ったり自分の話をするようになると、急に人懐こい表情になる。

前に見たときは「最後に悲しい」と思ったけど、8年分年を取ったからか、いつかはみんな死ぬんだから、本当に幸せな一瞬があればいいって思うようになった。刑務所のなかの二人が良すぎて、ラウル・ジュリアが塀の外に残してきた恋人の影がちょっと薄いくらい。

政治犯に対する捜査って厳しい。なんて非人道的な、とこの映画を見てると思うけど、塀の外で彼は多数の人を殺したのかもしれない。決して愛だけに生きる優しい男として描かれてるわけじゃない。

でもやっぱりこの映画ほんとに好きだな。

蜘蛛女のキス(字幕版)

蜘蛛女のキス(字幕版)

  • メディア: Prime Video