映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

ミミ・レダー監督「ビリーブ 未来への大逆転」2934本目

原題は「On The Basis of Sex」、多分「性別を根拠として(~してはならない)」だろうな。「~」には「差別」が入りそう。邦題を考えた配給会社マーケティング担当者の苦労がしのばれますが(「ドリーム」のタイトルと同じセンスだよね)、女性に勇気を与えるハッピーエンドの映画であるとタイトルだけで示さない日本では見てもらえないのか、と思うと、「On The Basis of Sex」でも見てもらえるアメリカの観客のほうが意識高いというしかないよなぁ。

フェリシティ・ジョーンズは小柄で遠目にはか弱そうに見えるけど、強い意志を持った目が印象的で、はまり役です。アーミー・ハマーってイケメンで大男、これも彼女との対比上ぴったりなのだけど(彼ってエネルギー持て余してるような妙なオーラがあって、最近スキャンダルがあったけど、何かもう一つどでかいことに放出した方がいいような気がする)、それ以上に本物のMr.ギンズバーグは偉大な男だったんだなぁと思います。

それでも、こんな美談が実現するのが、(いろいろ問題はあるけど)自由の国アメリカなんだ。日本にはガラスの天井どころか50センチの厚さのチタンの天井がある。打ち破れるワンダーウーマンはゼロではないと思うけど、日本は地球上でもっとも女性進出が遅れている国の一つだから。。。正直、この映画を見ても「ルースさんカッコイイ、すごい」と思うだけで身近な例に当てはめて比較することさえできない。

おかしいなと言わざるをえないことは、これだけじゃないけどね。どうすればいいんだろうね…。 

ビリーブ 未来への大逆転(字幕版)

ビリーブ 未来への大逆転(字幕版)

  • 発売日: 2019/08/02
  • メディア: Prime Video