映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

ビリー・ワイルダー監督「お熱いのがお好き」2936本目

タイトルがいいですよね。Some like it hot、ホットを好む人もいる(コーヒーか?)、を「お熱いのがお好き」と変えるだけで、マリリン・モンローの色っぽい表情まで浮かんできます。実際は「86度のコーヒーを出したそうだな」っていうところから、熱いコーヒーはお酒って意味なのかなぁ?

禁酒法時代を描いた映画ってたくさんあるし好きでよく見てますが、これはまだその時代の記憶もなまなましい人たちが制作や出演をしてますから、きっとかなりリアルなはず。多分小さい頃に見たっきりだったのを、やっと見直そうと思います。

 マリリン・モンローは「可愛いくてちょっとユルい美女」ですが、一人で男性の目を集める、マレーネ・ディートリッヒが演じてたような絶対的な存在ではなく楽団に花を添える歌手で、主役はジャック・レモンとトニー・カーティスですね。大富豪を演じたジョー・E・ブラウンの「カ~ッ」と口をあけて笑うのが好きだ…。しまいに自分の正体をばらすジャック・レモンに「あなたとは結婚できない…なぜなら男だから」と言われて「人間は誰も完全じゃないよ」で済ますあたり。バイセクシュアルだったのか…?まいっか、という感じで終わります。

面白いし楽しいけど、「名画」って感じはしない。この映画がずっと高く評価されてるのは、とろけるようにセクシーなマリリンの姿が堪能できるから…じゃないかなぁ。

お熱いのがお好き(特別編) [DVD]

お熱いのがお好き(特別編) [DVD]

  • 発売日: 2012/08/03
  • メディア: DVD