映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

原田眞人 監督「検察側の罪人」2950本目

テレビドラマ的な映画が好きじゃないのでキムタクが出る映画は敬遠しがちだけど、「罪の声」を見た流れでもう1本アマプラいってみます。

二宮和也はともかく、吉高由里子もかつらっぽいボブで出てるなぁ。この役に市川実日子を使わずに吉高由里子をボブにするのがテレビ的。検察官がタワーマンションに住んでるとか、なんか陰で悪いことやってんじゃないかと他の映画なら疑いそうなところだけど、そんな設定になってるのもまたテレビ的。本当っぽさより、一般人が漠然と憧れる世界をかもしだそうとする。細部がなぁ…。

取調室で容疑者を激しく恫喝しつづける二宮検察官。最近「ガキの使い」みたいな、人をバカにして笑う番組が少なくなったけど、正義をたてにして悪そうな人を執拗にいじめるテレビドラマが気になる。立場の強い人が弱い人を威圧しちゃいけないって、教えてもらわなかったんだろうか。

ひとこと言いたい。「最上検事、黙って松倉を殺せば済んだだろうが」…検事ともあろう人がこれほど頭が弱いわけもないのになぁ。

これもまた原作者か監督の、テレビっていう架空の世界のひとつのファンタジーなんだろうけど、私、残虐場面が多い映画より、こういう誤った因果応報を促すかのような映画のほうが良くないと思うんだよなぁ…。

やっぱり見なきゃよかった。。

検察側の罪人

検察側の罪人

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