2014年1月に見たけど「飛行機の中で、英語で見たのであまり意味がわかりませんでした。」 っていうフザケた感想しか書いてなかった自分に腹が立ったので、きちんと見てみます。
(確認してみたら前の年に父が亡くなって、年末ひとりでヨーロッパに旅行してたら、ルフトハンザのストのおかげで日本へのフライトに乗れなくなり、大変な目にあった挙句にやっと乗ったエールフランスの中で見たんだな。自分にちょっと同情)(だったら感想書かなくても良かったのに、私)
改めて。今みると、かなり単純なストーリーだなという感じがしますね。切れる都会の黒人警官が南部の白人の町で、差別を受けながらも鋭い事実把握と推理で真犯人を突き止めていく。彼が恋に落ちるとか、白人のボディガードをつけるような尾ひれも胸びれも要らない、このテーマだけで観客が驚いた時代。
シドニー・ポワチエは極めて二枚目的。キムタクみたいに一挙手一投足に神経を配っています。彼のそんな役作りのおかげで、ハリウッドにはカッコイイ切れ者の黒人というひとつの類型が確立されたのかもしれない。
あと、彼に攻撃的な白人たちの態度に、戸惑いや迷いがあるのが興味深かったです。最近の「Black lives matter」で加害者となる白人たちは、ネオナチを筆頭として、明らかな悪意をもって攻撃を目的として黒人に接近してる。差別は無くすべきだと言われて、なるべくそれに合わせてきたけど、我慢もこれまでだ!という、忍耐の末の開き直りが見られます。こじらせている。解決とか融和は遠ざかっていく。
この作品が作られた1967年からもう54年も経ってるんですね!94歳のシドニー・ポワチエに、今のアメリカについてコメントを聞いてみたいような気がします。