映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー 監督「13回の新月のある年に」2992本目

1978年の作品。ファスビンダー監督って、今ほんと見るのが難しいのでつい最近まで見たことがなかったけど、最近図書館めぐったりしてがんばって見てました。が、これはどこにもなかった。ソフト化されてないこういう映画を追加してくれるからU-NEXT…(涙)

ファスビンダーの私のイメージは「死に死にした映画を作る人」。この作品も、私にはちっともわからない理由で牛の首を次々と切る映像をえんえんと流したり、ぼそぼそとつぶやくような独白がえんえんと続いたり…すでに鬱状態にある映画、という雰囲気で、つられて自分の中に闇が広がっていきそうです。

後半少しだけ出てくる彼の娘(U-NEXTでは主役のフォルカー・シュペングラーと並んでサムネイル画像に映ってる女性)を演じたエーファ・マッテス、見たことあると思ったら、「キンスキー 我が最愛の敵」でクラウス・キンスキーについて語ってた女優さんだ。

ファスビンダー監督の作品は、一場面がずるずるずると長いんだけど、場面切り替えはパキパキとしていて、終わりは「ちゃんちゃん」って感じなんだよなぁ。なんでそういう風にしようと思うのかわからないけど、暗ーい気持ちがかちっと終わるので、意外と引きずらない。

ちっとも理解はできなかったけど、やっぱり面白い監督だなぁと思いました。