映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

チャールズ・ウォルターズ 監督「イースター・パレード」2999本目

フレッド・アステアとジュディ・ガーランド。なんて豪華な組み合わせでしょう。ハリウッド映画界の歴史に燦然と輝く二人の競演、素晴らしかったです。

今も昔も卓越したダンサーってたくさんいるけど、フレッド・アステアほどの芸をもつショーマンってほとんどいないんじゃないでしょうか。ジュディ・ガーランドは、彼の前パートナー役のアン・ミラーみたいな輝く美女ではないけど、彼女の声はほかの誰にもまねできない存在感があるし、彼女の姿には万人に愛されるふしぎな愛嬌があります。自分の中の最もまっすぐなところを抽出するように歌うから、出てきた歌にはなにか純粋な普遍性が感じられるように思えるんですよね。

フレッドがおもちゃのドラムを叩き踊る場面、2人が浮浪者に扮して踊り歌う場面、サラダの作り方を身振り手振りで説明するウェイター(結局オーダーしてもらえない!)などなど。

ヨリを戻すきっかけがいまいち急な感で、ちょっと残念だったけど、この黄金コンビを見られたのはよかったです。