映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

沖田修一監督「モヒカン故郷へ帰る」3007本目

こういうすっとぼけたテーマで撮らせたら、ほんと生き生きするなぁ、沖田監督。(大体いつもこんなのだけど)ひょうひょうとした離島出身のモヒカンに松田龍平でしょ。ちょっと可愛いけど「あたし頭わるいんで、ちょうどいいかなって」というカノジョに前田敦子。この子はこの辺の位置づけが定番になってきている。その父親、離島の学校の先生で熱烈なヤザワファンに柄本明、その妻がもたいまさこってのはできすぎ(笑)。よく見ると弟はいまや「チバミ」と可愛さ前回の千葉雄大。船でピザを宅配するだの、パンクアレンジでヤザワを吹奏楽部にやらせるだの。なんかもう、彼の作品は日本のいなか各地の民俗学だな。

オリジナル脚本で人間がしっかり描ける監督って強い。安心して見られるんだ。個人的には、是枝裕和のつぎに濱口竜介、そのつぎに沖田修一がくる、と思ってます。これからもがんばれ沖田監督。