映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

ミッジ・コスティン 監督「ようこそ映画音楽の世界へ」3009本目

私こういう、裏方のプロフェッショナルな人々の話って大好きです。表面に姿は現れないけど、たしかな技術と感覚で、作品を別物のように素晴らしくしてしまう、魔法使いみたいな人たち。私、はずかしながら映像制作会社にいたときに数分の番組を作らされたことがあったのですが、素材を集めてロケをやって映像編集を終えた時点で、部分的にミュージッククリップを使ってる部分やせりふがある部分にはどういう音が重なるかわかってるんだけど、そこからが音の人たちの出番。スタジオに音響効果さん(まさにこの映画の主人公)と入って、ピシッとかシュタッとか、あるべき音を足したりちょっとした音楽をつけてもらうと、突然、素材が映像に変わるんですよね。それにプロのナレーターさんの声を重ねると、もうそれは番組。(その後にテロップとか入れるんだけど)

ちょっとマニアックで、なんとなく理系のエンジニアっぽくて、見た目エンタメ業界の人に思えない落ち着いた雰囲気。素敵です。

 

映画の音ってものすごく大切で、やたら感傷的な音楽がどかどか乗ってるものは好きじゃないけど、このドキュメンタリーで取り上げられる人たちは特に鋭敏で革新的なので、がっかりするんじゃないかという心配は不要。(ブラック・パンサーは私にはちょっとウルサいかな)

特に印象に残ってるのは、なんといってもスター・ウォーズのライトセーバー、地獄の黙示録のヘリコプターの音、ROMAも確かにいろんな音が聞こえてくる面白い映画だったなぁ。などなど。マトリックス見直そうかなと思ったり。

こんな風に、映画のいろいろな部分を作る人たちのドキュメンタリーが作られるといいな。