映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

内田英治監督「ミッドナイトスワン」3034本目

 Amazonプライムにだけはもう出てた。

草彅剛が「青天を衝け」で徳川慶喜をやってるのがとても良くて、やはりこの作品を見ておかないわけにはいかんだろう!ということで。

…見始めてすぐ「プリシラ」を思い出した。あれ見といて良かった。男っぽいのに女らしい感じが、あの映画のなかのテレンス・スタンプを思い起こさせます。二人ともストレートの男性だけど、演技のなかの性別ってすべてではなくて、人間の感情を表現することが主だと思う。

預けられた少女、服部樹咲って、不愛想な感じがリアルでいいな。まだ14歳なのに身長170センチもあるんだ!バレエって感情の理解と表現がすごく大事な気がするから、この子の将来が楽しみだわ。女優よりバレエで大きい人になってほしい気がする。。。

お店のダンサーさんのうちアキナさんを演じた人は六本木「金魚」出身なんだ。むかしボスに何度か連れて行かれたけど、本当~~に美しい演者さんたちだった…。

バレエの先生の真飛聖さんキレイだな。水川あさみは「愛妻物語」といいこの映画といい、怖くていい女の役が板についてきてる…。

見終わった感じは「チョコレートドーナツ」に近い。ちょっと人が死にすぎるんじゃないか、と思った。死のうと思う、死のうとする、ところまでは共感するけど、留まる流れを作って説得力を持たせるとか、生き延びたあとどう生きていくか、という部分を苦労して作ってほしかったなと思います。

ところで、ウォシャウスキー兄弟あらためウォシャウスキー姉妹は、トランスジェンダーを取り上げた映画を見てどんな風に感じてるんだろうなぁ。一般に、どんな人を取り上げても、当事者に近い立場の人が見ると「自分とは違う」って感じるものじゃないかと思う。でも、もし彼女たちが作ってくれるものならすごく見てみたいんだけどなぁ。