映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

マリオ・バーヴァ 監督「血ぬられた墓標」3045本目

アメリカ映画と書いてあるけど、どこから見てもイタリアン・ホラーだなぁ。「サスペリア」を思わせる大げさではっきりした表情や、ドロドロなのにちっとも暗くなくて、なぜかさっぱりした感じさえするところも。ジャケットが往年の東宝怪獣映画みたいなのがまたいい。なんだろう、このカラッとした感じ。子どもたちが「おまえ悪魔な!追っかけるから逃げてよ」とか言って遊んでるみたいな雰囲気。で、画面構成がなかなか決まっていて美しいです。切り取って一部だけ見たら最初の頃のベルイマン作品みたいなところもあるよ。

ヒロインのバーバラ・スティールはちょっとコメディエンヌっぽいくらい目が大きくて、ライザ・ミネリに似てる?この人の気の強い美女っぷりが、とても素敵です。口パクだなと思ったらイギリス人なんですね。その後もB級(失礼)ホラーにいくつも出たあとはKINENOTEには記述なし。でもどうやら80代にしてご健在らしい。

うむ、この映画は怖すぎないし独特の美しさがあって、語り継がれるのもなるほど、という気がしました。

血ぬられた墓標(字幕版)

血ぬられた墓標(字幕版)

  • バーバラ・スティール
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