動かないロード・ムービーみたいな感じ。20年近く前の作品なので、携帯は折りたたみ式でネットにはつながらない。喫茶店で人は本を読んだりPCを広げたりして、待ち合わせは携帯で話す。JRの駅まわりが、なんとなく古めかしい。浅野忠信がびっくりするくらい変わらない。
一青窈が足跡をたどっている江文也というのが実在の人物だと途中から気が付いてググってみたら、日本が台湾を併合してた時代の人なのね。
ストーリーがないというか、起承転結を作る気もなかったんじゃないかな?私が台北のどこかに1か月くらい住んでみたいというのと同じで、自分が一青窈っていう妊娠した女の子になって台湾の昔の人の足跡をたどったり、喫茶店に入ったり都電を乗り継いだりしてみたかったんじゃないか。大好きな小津の気分で。時間が止まったかのように。